熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

5.県職員の飲酒運転の防止対策と処分のあり方について

(1)宴会の席への自家用車持ち込み自粛の見直し
(2)懲戒処分の指針の見直し

◆(城下広作君) この中間管理機構の問題ですけれども、条件のいいところだけを集積する、これではなくて、やはり県下には、いわゆる本当に段々畑といいますか、田舎の部分もあります。そういうバランスをとって集積に努めていただきたいと思います。そうしませんと、いいところだけが整備され、そして作付され、そして、ある意味では棚田みたいなところは切り捨てられる、こういうことはあってはならないというふうに思いますので、しっかりと対応していただきたい。また、新しいメンバーで、いろんな形でスタートする組織、しっかりと機能を果たしていただきたい、全国のモデルになるように頑張っていただきたいと思います。
 5番目の質問でございます。
 県職員の飲酒運転の防止対策と処分のあり方についてお尋ねをしたいと思います。
 県職員の飲酒運転の防止対策については、これまでもさまざまな取り組みが行われてきておりますが、なかなか撲滅には至っておりません。
 そのような状況を踏まえ、執行部では、職員向けにさらに踏み込んだ取り組みをされているようですが、その中で、私が大変違和感を持つ取り組みがありましたので、お伺いします。
 それは、宴会の席への県職員の自家用車持ち込み自粛の通知であります。
 一見すると、よい取り組みのように思いがちですが、宴会の席は、県下至るところが考えられ、必ずしも公共交通が整っているところとは限りません。タクシーを利用するにしても、多額の交通費がかかるところもあり、負担の面では問題があります。家族の送り迎えを想定しても、全ての職員が条件を満たしているわけではありません。
 このような諸状況を考えれば、自家用車の利用を自粛させるということは、参加しづらくなることは明らかで、結局、余り行かないほうがよいと言っていることと同じことになりかねません。必要な宴会の席は誰にもありますし、仕事の延長としても、県職員の皆様にはたくさんあると理解します。
 では、なぜこのような通達を出されたのか調べてみましたら、過去の飲酒運転で検挙された方々に、代行運転がいなかったから、ついつい自家用車に乗ってしまったと弁解される方が多いことから、代行運転がつかまりにくいことを想定しての取り組みと伺っていますが、これは大変間違った考えであり、誤解されていると思います。
 ちなみに、この件について、代行運転業者に意見を聞きましたら、県下全域で代行運転がつかまらないことはほとんどない、万が一あっても、数十分待っていただければ、必ず連携がとれ対応できると聞きました。代行運転がつかまらなかったと言われる方は、飲酒運転の弁解に使われるケースが多いと聞きます。
 私は、自家用車で宴会の席に参加し、代行運転で帰る、これが飲酒運転を避ける有効な手段だと思います。逆に、自家用車持ち込みの自粛は、一方で、代行運転者に対して、非買運動ではありませんが、非利用運動につながるおそれもあると思います。
 現に、公益社団法人全国運転代行協会の東京の本部に熊本から問い合わせが数件あったようです。その内容は、熊本では自家用車の持ち込みが禁止され、代行運転の締め出しをしている、どうにかしてくれとの苦情が寄せられているようです。
 このような取り組みを各県やっているのか調べましたら、九州では熊本県だけで、全国的にも聞いたことがないという状況でした。全国運転代行協会では、熊本の取り組みが、悪い意味で話題になっているようです。
 そもそも飲酒運転をなくす取り組みとして、自家用車の持ち込み禁止の手法は、余りにも職員を信用しておらず、自家用車で宴会の席に参加し、仮に代行運転がつかまらなかったとしても、それは本人の自己責任であり、代行運転がつかまらないこととは何ら関係のないことであります。
 そして、さらに問題なのは、この通知を真剣に受けとめる県職員と、自粛だから無視しても問題がないと捉える職員の差も出てきます。これも曖昧な通達になるおそれがあります。
 今県下では、県の取り組みの影響を受けているのか、金融機関や民間企業の中でも、代行運転の確保まで心配して宴会の席に参加する場合、自家用車持ち込み禁止を徹底しているところがふえてきているようです。飲酒運転防止のための取り組みの一環かもしれませんが、いずれにしても、さまざまな問題を抱えている県職員の宴会の席への自家用車持ち込み自粛の通知には問題があると思いますが、蒲島知事、田崎教育長、西郷警察本部長の自粛の見直しについての考えをお伺いいたします。
 私は、飲酒運転の防止対策については、自家用車持ち込み禁止という取り組みよりも、ほかに有効な方法があるのではないかと考えています。それは、懲戒処分の指針の見直しです。
 といいますのも、公務員の飲酒運転に関連して、私が大変気になることがあります。それは、公務員が飲酒運転で摘発され、懲戒免職とされたとき、その処分を受けて免職が重過ぎると処分取り消しを求める裁判を起こし、訴えられた行政は、必ずと言っていいほど行政側の主張が認められない判決となり、控訴するケースです。
 なぜ違反を起こした側と処分する側の間に解釈の開きがあったのか、規定はどうなっていたのか、そもそも違反した本人は、処分規定を理解していたのか、さまざまな疑問が私には沸き上がり、その結論は、処分の規定が曖昧だから、お互いいがみ合い、司法の場で時間と費用をかけ、結局、規定そのものが、本来の飲酒運転を撲滅する取り組みとはほど遠い、誰もが納得できない結果だけを招いてしまうのではないかと思えてなりません。
 このような争いの原因となる公務員の飲酒運転違反が、本県内で起こらないことをただただ願うだけですが、過去5年間の年間の飲酒運転摘発件数を、熊本県や市町村、一部事務組合を対象に見てみると、10件から14件起こっており、県だけで見てみますと、知事部局と教育庁関係では3件から9件あっています。
 これを多いと見るか少ないと見るかは、それは個人差があると思いますが、公務員という立場からすれば、いかなる理由があれ、私は絶対あってはならないと思いますが、知事部局も、教育庁も、飲酒運転は断じて許さないとの決意で取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、私は提案したいのですが、知事部局、教育庁、警察本部の懲戒処分の指針では、飲酒運転をした職員は「免職又は停職とする。」とあります。この飲酒運転を起こした職員は「免職又は停職とする。」との解釈が、結果的に曖昧さを生み、裁判で争う羽目になるのではないとか思います。
 そこで、本県が県職員の飲酒運転撲滅を真剣に考えているのであれば、免職または停職とせず、免職と改めることで、職員の意識もさらに高まり、飲酒運転の抑止につながるのではないかと思います。
 この考えを示しているのが、過去に市の職員が飲酒運転で幼い子供の命を3人も奪った飲酒運転事故をきっかけに、福岡市では「酒酔い運転又は酒気帯び運転をした職員は、免職とする。」と改めています。
 このように県でも懲戒処分の指針を見直したらと思いますが、蒲島知事、田崎教育長、西郷警察本部長の考えをお伺いいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕