熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

7.TPP問題について

(1)県民に対する情報提供
(2)農業政策

◆(城下広作君) 今マスコミで話題になっている、例えば先ほど例を挙げた韓国資本だとか中国資本の方が土地を買いあさっているといっても、これは正確にはわからないということです。土地を所有するときに、国籍を書かないということでございますので、そういうらしき人が買っているということで、正確に外国の方が買っているということは断言することはできない。だから、それを仮に調べようとすると、その人の行き先をずっと調査をしながら、ああ外国人であったというふうにしか調べようがないということでございます。
 名前や外見という形で明らかに外国人であるとわかっても、それが外国人と断定できないという話を最初確認させていただいたときには、私もびっくりしました。やっぱり土地取得のときには、国籍要項も確認をするということで、そこで法整備をやるということも大事なことかなという感じがいたします。
 いずれにしましても、大事な地下水、今の段階では自由にくみ放題というような形、このことを我々は大変危惧しなきゃならないし、本当に将来は石油よりも水が大事になってくるというようなことは、決して遠い話ではないというふうに感じています。特に熊本は、そのことに関して、強く関心を持ち続けることが大事だというふうに思います。
 では、次に、TPPの問題について。
 きのう、大変この問題は論議をされ、ある程度内容が出尽くしたかというふうに思いますけれども、我が公明党としましても、農業問題、特にこのTPP問題、大変重要な問題と認識をしております。そういう意味で、私なりに、重複する部分もございますけれども、改めて質問をさせていただきたいと思います。
 昨年10月1日、菅総理は、所信表明演説で、環太平洋連携協定、いわゆるTPPの参加に前向きの姿勢を示し、年頭会見では、6月に参加検討の最終判断をすることを正式に表明しました。
 問題は、日本のTPP交渉参加に向けた農業分野での将来展望を含め、日本をどのような国にしていくのか、全体像を描かないまま唐突に態度を表明したことです。今、そのことが農業界や産業界に混乱を招き、国民にも整理された情報が流されていないままTPPの問題を処理されようとしていることに尽きます。
 現段階では、参加した場合、しなかった場合、日本経済への影響、とりわけ産業界や農業界への影響を具体的数値で示すとともに、国民に具体的な数値でもっとわかりやすい情報を提供し、国民的論議を重ね、判断をすべきと思います。
 現に、あの米部分開放を受けた関税貿易一般協定、いわゆるガットのウルグアイ・ラウンドのときに比べて、情報が極端に少ないとの批判もあっています。
 そのような声が聞こえてきたのか、政府もやっと重い腰を上げ、2月中旬から3月中旬にかけ、地方説明会の開催がやっと決まったようです。
 内容としては、平成の開国として、貿易自由化を強力に進める方針で、TPP参加については、農村部を抱える地方では、政府の考えを直接説明し、理解を求めていくようです。
 私は、現段階でのTPP参加は、国内農業の現状からすると、到底容認することはできないと考えています。それは、我が国の食糧自給率が、カロリーベースで40%そこそこであり、仮にTPP参加が決まれば、14%にまで落ちると言われています。これは、先進国での自給率が最低になり、大変危機的な状況になると考えられるからであります。
 ある人は、食糧は戦略物資である、食糧を輸入に頼れば、一たん事が起こったときに、自国民はすぐに飢える、幾多の戦争の経験のあるヨーロッパの国々は、押しなべて食糧自給率が高い、食糧を自給できない国は二流の国であるとさえ言われていると述べていました。
 戦争は想定したくありませんが、近年、世界の気象変動などの影響による異常気象の頻発により、農産物生産のリスクが高くなっています。現に、熱波など異常気象による穀物の減産により、ロシアを含む10カ国以上で小麦などの輸出が規制されています。
 昨年を振り返りますと、尖閣諸島問題が起きたとき、中国からレアアースの輸入規制が発動され、そのとき産業界は大変深刻な状況になりました。これが大がかりな食糧輸出の禁止に発展した場合、我が国の国民の生命に直結する問題になります。
 民主党政権は、我が国の食糧自給率をマニフェストで50%まで引き上げると訴えていました。TPP参加を決定し、一方で食糧自給率を上げるとする離れわざをどのようにしようとしているのか、今度の地方説明会で聞いてみたいと思います。
 そこで、第1点目の質問ですが、恐らく民主党政権は、TPP参加について、参加の方向で進めてくると思います。また、国民の世論調査でも、参加するという意見が参加しないという意見よりはるかに多いようです。このような結果を心配するのは、国民の皆様が、参加すると決めたとき、我が国での具体的な影響が正しく理解されていたかが重要になってきます。例えば、運送業を初め多くの農業関係者以外の方にも影響を受け、国内では相当な失業者が誕生すると言われています。このようなことは余り知られていないと思います。
 こうした情報をより正確に伝え、県民に正しい判断をしていただければと思いますが、今まで県としては、県民に対してどのような情報提供をとってこられたのか、お尋ねいたします。
 第2点目ですが、今回のTPP参加問題を境に、我が国は、今後の農業のあり方、とりわけ食糧自給率の問題や後継者不足の問題等は、早急な対応をとらねばならない時期に来ています。特に、我が県は、全国でも有数の農業県でありますから、TPP参加の結果にかかわらず、先進的に農業問題に取り組まねばなりません。
 あえて言うと、国の政策に左右されない強い農業政策を打ち出して、農業で生活できる農業県を目指していかなければ後がないと思いますが、県の力強い農業政策についてお尋ねをいたします。
 以上、蒲島知事にお尋ねをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕