熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

5.生活排水対策について

(1)市町村設置型浄化槽設置の推進
(2)浄化槽維持管理の徹底と県の関わり方

◆(城下広作君) ぜひ、他県が頑張って実現していこうという事柄でございますけれども、熊本県もそのことをしっかりと、逆に言えば、営業努力をやりながら、私たちの県に潤いをもたらすような流れで頑張っていただきたいというふうに思います。
 では、5番目の質問に移らさせていただきます。
 生活排水対策についてお尋ねをします。
 東日本大震災の一部地域ではありましたが、被災地視察を経験し、今後の災害復旧に係る膨大な予算と復旧期間を想像すると、気が遠くなるようでした。長年土木設計に携わってきた者として、自然災害の恐ろしさを改めて痛感させられました。
 特に、私が被災地で目にした光景の中で一番気になったのが、地盤沈下を起こし、海面より落ち込んだ沿岸部の広大な敷地、建物は傾斜し、地割れが至るところで発生している様子でした。今後復旧に当たるにしても、基礎となる地盤のかさ上げなくして本格復旧はないと感じました。
 今、国を初め被災した自治体は、新たなまちづくりのため復興計画に取り組んでいますが、将来の津波や震災を想定すると、個人の土地所有などの関係もあり、災害に強いまちづくりのための大幅な変更を伴う土地利用計画は、そう簡単につくれるものではないと感じました。特に足かせになるのが、現在の法律では、災害復旧は原則原形復旧であるということだと思います。
 そうした中で、特に心配するのが下水道の復旧にかかわることです。今回、震災被害を受けた多くの地域では、地盤沈下、道路のゆがみなどで下水道の被害が多かったようです。しかし、復旧に当たっては、やはり原形復旧の原則からすれば、下水道で整備されていたところは、また下水道での復旧になると思います。果たしてそれがいいのか、甚だ疑問に思います。
 なぜならば、恐らく沿岸部を中心としたところは、下水道管の破損や高さの変動はもちろん、下水処理場も相当な被害をこうむったと思います。その復旧は、結果的には下水道事業を一からやり直すことになります。そうすると、恐らく供用開始までには相当な時間を要することは明白であり、その整備を待ち、店舗や住宅を建てるとなれば、まちづくりは一向に進まないという結果につながります。
 その下水道にかわるものとして浄化槽があるわけですが、下水道完成までとりあえず浄化槽設置でしのいだとしても、下水道復旧後は接続しなければならないことから、そう簡単に浄化槽設置とはいかないのが現状です。
 今後は、原形復旧に縛られることなく、法の整備を行い、現実に即した災害復旧のあり方を強く国に望むものであります。
 そこで、このような教訓を生かし、我が県での生活排水対策の推進のあり方として、特に震災などによる地盤の変化を伴う災害後の対応や復旧の早さ、経済性などからすると、下水道や集落排水施設での整備よりも、浄化槽設置で対応する方がより効果的ではないかと思います。
 既に下水道などで整備された地域は別としても、まだ下水道整備や集落排水等の計画がなされていないところや計画段階のところは、生活排水施設の整備計画を見直す時期ではないかと思います。
 そこで、第1点目の質問ですが、県は、ことし6月、くまもと生活排水処理構想2011を策定され、その中で、合併浄化槽の整備に力を入れていくとの方針を出されました。また、適切な維持管理のため、市町村設置型による浄化槽整備も進めると表明されました。下水道整備は時間も費用もかかるとの市町村の声にこたえた、大変すばらしいことだと思います。
 ところが、現実を見てみると、県は、浄化槽整備を進める市町村を支援するために必要な予算を毎年計上しているのですが、見込みどおりには予算が使われてなく、余っているのが現状です。今の時代、予算が余るということは珍しいことだと思います。
 では、なぜ余るのでしょうか。もしかして、県下の市町村に周知がなされていないのでしょうか。それとも、市町村は利用したくないのでしょうか。いずれにしても、今後は浄化槽整備に力を入れていくとの方針を打ち出されたので期待したいと思いますが、特に市町村設置型の推進については、どのような目標と達成に向けた取り組みを考えておられるのか、お尋ねをします。
 第2点目の質問ですが、浄化槽が設置されると、最も重要なことは、やはりその後の法定検査、保守点検並びに清掃の実施であります。この3つの維持管理の取り組みがおろそかになれば、環境は破壊され、私たちの生活が脅かされます。自治体と業者の連携で、適切な維持管理を確保してもらいたいと願っています。
 しかし、県下の実態を見てみると、1年目の7条検査実施率は100%を保っているのですが、2年目以降の11条検査実施率は50%を切っている状況です。また、そのほかに、浄化槽法で義務づけられている保守点検、清掃などの実施率も不十分と聞いており、大変気になるところです。
 そこで、浄化槽の命である法定検査実施率の厳しい現状について、県は、どのような感想をお持ちなのか、また、今後どのような対処を考えておられるのか、お尋ねします。
 また、保守点検業者は、県登録であります。一方、清掃業者については、市町村の許可となります。保守点検、清掃に関して、県としてはどのようにかかわっていこうと考えているのか、お尋ねします。
 以上2点、土木部長にお尋ねをいたします。
  〔土木部長戸塚誠司君登壇〕