熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

4.中小企業の支援について

(1)改正建築基準法施行の円滑化に向けた県の対応
(2)建築確認における県の対応
(3)建築関係事業者への金融支援
(4)「責任共有制度」の影響と今後の対応

◆(城下広作君) 水俣病問題は大変重要な問題で、この間も後藤会長が来られまして特別委員会で問題の論議がございましたけれども、私も傍聴させていただきました。
 やはり私も地元に何回か入る中で、平成7年が確かに政治決着の最後だというような認識で取り組んでこられたのも事実である一方、それ以降、私たちが直接、特に私がまた県議として携わるようになってからいろんな話を聞いたときに、やはり当時声を上げられなかった人はかなりいるんだなということをひしひしと感じます。
 そういう意味では、平成7年、そのときは最大の努力をされたにしても、現実今残された方々に対しては、やはり政治がしっかりと手を打っていかなきゃいけない、しかし、どこまで打てるかという、そういう中で与党が考えた、いわゆるこの与党案でございますけれども、このことに御理解をしていただく方、ただ、正しい情報がないがゆえにやはり裁判という形でまた行かれる方も一方でおられる、こういうことを含めまして、やはり正しい情報をもって今後解決するという糸口をやることが大事だということで、改めてそのことは申し述べたいというふうに思います。
 また、特に今回御所浦の問題を取り上げたのは、やはり今回御所浦には情報がなかなか正しく入りにくいというのがあるんだなということを痛切に感じました。そういう意味では、やはり正しい情報というのはしっかりと末端まで行くような形で取り組むべきだというふうに考えております。
 また、御所浦の場合には、平成7年の場合に、やはり声を上げたくても地域全体でなかなかそういうふうな形で思うようにいけなかったという背景もあるようでございましたので、この辺もしっかりと私たちは理解をしていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。
 4番目でございますけれども、次は中小企業の支援について、若干長くなりますけれども取り上げたいというふうに思っております。特に建築関係の問題でございますので、よろしくお願いします。
 約2年前の平成17年11月17日、関係者と名乗る者からの電話の告発で、当時1級建築士だった姉歯秀次氏が構造計算書を偽造していたと国土交通省が公表しました。以来、姉歯氏が構造計算書を偽造して建築されたホテルやマンション等は全国数十カ所にまたがり、ビルのオーナーやマンション購入者にとっては、言葉に言い尽くせぬほどの怒りをあらわにし、偽造するはずがないとある意味性善説で信用されてきた建築設計業界にも大きな衝撃が走り、その後、姉歯氏を初め建築に携わった関係者を含めた国会の証人喚問へと発展し、日本じゅうが耐震偽装問題の成り行きを見守りました。
 特に、本県では、姉歯氏の設計の建築を手がけていた地元建設の関係が取りざたされ、全国的に注目を集め、県民も身近な問題として関心の度合いが高まっていたことは記憶に新しいことと思います。
 当時、私は建設常任委員会に所属し、まさに12月の委員会では、本県における影響も懸念されたことから、激しい論議が繰り広げられました。そして、時が経過するにつれて耐震偽装問題の全容が明らかになり、国は、この問題を教訓に、二度と同じような偽装が起らないように法改正に着手し、本年6月20日、改正建築基準法の施行に至ったわけです。適正な検査により、安全な設計が許可され建築されることは、国民だれもが望むものであり、当然のことだと思います。
 しかし、困ったことに、この法改正に伴い建築確認審査が厳格化したことで、全国的に建築確認申請は大幅に落ち込み、住宅着工数も激減するなどして関係業界の経営を直撃し始め、国の景気、経済に悪影響しかねない大きな社会問題になりつつあるようです。
 具体的に、本県の建築確認数や住宅着工数に目を向けても、7月から9月の建築確認数は前年同月比で約21%落ち込み、同じ時期の住宅着工数でも約34%激減するなど事態は深刻で、本県経済に与える影響は少なくないと思います。
 このような背景から、国土交通大臣に対して、社団法人日本建築士事務所協会連合会等の陳情もあり、国土交通省は、10月30日付で、改正建築基準法の円滑な施行に向けた取り組みについての通知を出し、主な内容としては、1つ目に、実務者向けのリーフレットの配布、また、きめ細かい個別地域に対するアドバイスの実施、建築確認手続に関する運用面の改善、明確化が明記されています。
 また、大臣認定書の写しの添付の取り扱い、軽微な変更の取り扱いといった内容の建築基準法規則の一部改正が行われたことで、法施行前とまではいかないにしても、改善の兆しは見えてくるのではないかと期待をしています。
 そこで、第1点目の質問ですが、やはり6月20日以降確認申請がおくれた理由としては、一定規模以上の建築物に対する二重チェック、構造計算適合判定制度の導入や建築確認の審査期間の延長などが大きな要因と思いますが、それ以外にも、申請者と特定行政庁等の双方が法改正の内容を十分に習熟していなかったのではないかとも言われています。
 そうした現状を踏まえ、本県でも、10月中旬には、関係機関に働きかけ、説明会を実施したと聞いていますが、今回作成されたリーフレットは、その時期はなく、関係者に対する周知も今後とも必要ではないかと思います。また、建築業界の方々には、建築確認申請のおくれから、建築工事の停滞等の影響で資金繰りに困る方も出始めてきていると聞いています。
 政府も、このような状況を踏まえて、融資等に関する特別相談窓口の設置や政府系金融機関によるセーフティーネット貸し付けの対応を図っていますが、やはり地元企業の方々には情報が行き届いていないのか、窓口に対して相談者も今のところはない、ゼロということでございまして、貸し付けにしても、利用者もほとんどないと伺っています。
 そうしたことから、県は、今までどのような対応をしてこられたのか、また、今後の対応についてお尋ねをします。
 第2点目の質問ですが、今回の建築確認申請状況を調べるうちにわかったことですが、建築確認申請の審査については、現在、県内3特定行政庁――いわゆる行政でございます。民間建築確認機関、4機関で行われているようですが、官民の割合は約5対5であると聞き及んでいますが、今後はさらに民間にシフトしていくと予想されているようです。
 他県においても、既に民間の割合が9割近く占めるところもあると聞いています。このような状況でいいのか、少々疑問に思います。例えば、県が取り扱う申請件数が減ると、県の手数料の減収につながります。また、建築技術者として県職員に採用された方の配置のあり方にも問題が出てくるのではないでしょうか。
 では、なぜ高い手数料を払ってまでも民間にシフトするのか。それは、行政より確認申請が早くおりることや、県の地域振興局より近距離にある民間確認検査機関の方が便利がいいためと聞きます。
 しかし、県の確認申請には重要な役割もあり、また、税収の確保や建築技術者の活用の観点から、申請件数の減少の傾向を受け、県は今後どのように対応されるのかについてお尋ねをします。
 以上2点は、土木部長にお尋ねをします。
 3点目の質問ですが、金融支援についてお尋ねします。
 先ほど述べたように、政府系金融機関の利用がほとんどないということは、小規模事業者にとっては利用しづらいということがあります。それよりも、地元企業で身近な金融支援として知られている熊本県中小企業融資制度の金融円滑化特別資金で、売り上げ減少に伴う建築関係業者の救済に取り組むべきと思います。
 先月27日付で、国は、建築工事等の15業種をセーフティーネット保証の対象、いわゆる不況業種として新たに指定しましたが、県の今後の対応についてお尋ねをします。
 第4点目の質問ですが、これは建築業者に限らずすべての中小企業を対象として関係することですが、御承知のように、10月1日より、新規融資分から適用される責任共有制度導入に伴う金融機関や保証協会の融資の対応についてであります。
 特に、金融機関においては、信用保証協会の保証つき融資について、これまで貸し倒れリスクを信用保証協会が100%負担していたものを、当該リスクの一部、20%を金融機関が負担することになり、状況が変わってきました。
 一部で景気回復が叫ばれる中、地元企業においては、好景気とは縁遠く、それどころか、この12月をどう乗り切るか、四苦八苦されている企業も少なくないと思います。ただでさえ資金繰りに大変なこの年末、責任共有制度の導入で貸し渋りが起らないように願っているのですが、既にこの10月の建築を含む建設業の利用状況では、信用保証協会の保証つき融資が、前年同月比で65.4%に落ち込んでいるようです。
 このような状況が長く続くようであれば問題であるし、本県経済にも影響を及ぼしかねません。制度導入後の現状の認識と今後の対応についてお尋ねします。
 以上、3点目と4点目の質問については商工観光労働部長にお尋ねをいたします。
 〔土木部長渡邊俊二君登壇〕