熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

4.少子化対策の推進について

(1)周産期医療体制の充実
(2)小児科医等の人材確保

◆(城下広作君) 民間のアスベストの除去はまだまだ進んでいないんです。それは最終的には経済的な面が一番大きいわけです。そのために国がわざわざ、いわゆる特別支援事業を設けて予算化をしたわけでございます。ところが、それは国が3分の1で、県が手を挙げないとできないという制度で、ですから県が手を挙げるということは大事なわけです。そうすると個人が3分の1で済むわけですから。
 先ほどの答弁では、いわゆる支援を早急に詰めてまいりたいと、この6月議会では間に合わなかった、だから9月議会でしっかり頑張るということだというふうに思いますけれども、本来であれば、大体この予算のときから、4月から計上をして、4月から実施できるように取り組むべき問題だったということを改めて言っておきますので、よろしくお願いしておきます。
 次に、少子化対策の推進についてでございます。
 6月1日、大変ショッキングなニュースが飛び込んできました。厚生労働省の人口動態統計の発表によれば、1人の女性が生涯に産む子供の数の推定値である合計特殊出生率が5年連続で過去最低を更新し、2005年は1.25であることが確認されました。
 具体的な数字では、昨年生まれた赤ちゃんの出生数は約106万3,000人で、過去最少。また、出生数から死亡数を引いた自然増加数は、1899年、明治32年に統計をとり始めて以来初めて減少で、数にしてマイナス2万1,000人だそうです。
 ちなみに、合計特殊出生率が都道府県別で最も低かったのは東京都の0.98、最高は沖縄県で1.71、我が熊本県は1.42と、前年に比べ0.05減少だったそうです。残念ながら、出生率が前年を上回った県は福井県だけだそうです。
 一方で、高齢者の数は過去最高を記録し、65歳以上の高齢者人口は前年より72万人増の2,560万人となり、総人口に占める割合、高齢化率は、前年から0.54ポイント上昇し、20.04%となり初めて20%を超え、総人口の5人に1人が65歳以上となり、少子高齢化は今後ますます拡大し、日本の人口減少は昨年をピークに着実に進み、思い切った手を打たなければ、日本の総人口は理論上は限りなくゼロに向かって行進していくことになります。
 言うまでもなく、人口の減少は、我が国の労働力確保や社会保障制度に影響を及ぼし、歴史や文化をも失ってしまうおそれがあり、ひいては国の衰退を招きます。
 まさに、少子高齢化の問題は我が国の社会構造の体系を揺るがし、その中でも少子化問題は国の存亡にかかわる最重要課題であることを改めて認識するところであります。
 そこで、我が国も、ここ数年、少子化対策については、ありとあらゆる角度から支援がなされてきました。具体的には、児童手当に見られるような子育て支援策、待機児童ゼロ作戦に見られるような施設整備の拡充策、また、不妊治療の助成や出産一時金の支給、育児休業保障制度の充実等、挙げれば切りがないくらい取り組んできたのではないかと思います。
 しかし、今後は、国が柱となり、県や市町村もなお一層の努力が求められると思いますが、私は、まず県が最優先で取り組まなければならないのが周産期医療体制の確立ではないかと思います。
 それはなぜかといいますと、少子化対策の有効な手だては、やはり何といっても、せっかく授かった子供を安心して産み育てられる施設の確保が必要だからです。急に容体が悪化し、身近に充実した医療機関がなかったために大切な命を失うことは一番悲しいことで、少子化にも直接影響を受けます。
 特に最近、死亡や障害のリスクが高いとされ、問題になっているのが低体重児の出産であります。体重2.5キロ未満で生まれる低出生体重児が、平成16年で1,542人、体重1.5キロ未満で生まれる極低出生体重児が、平成16年は 130人と、双方とも増加傾向にあり、全国平均と比較しても高い位置にあるようです。
 やはり、母親の喫煙や低年齢出産、高年齢出産等、さまざまな要素が絡み合った結果だと思われますが、今の現状から見れば、今後もふえ続けることは十分考えられます。
 そして、特に心配されるのが1キロ未満で生まれる超低出生体重児で、障害を持つリスクが非常に高くなるという可能性があるということです。
 県も独自に、極低出生体重児を対象に、専用の母子手帳に加え、新たにフォローアップ手帳を交付する予定だそうですが、先ほど述べたような心配をなくし、厳しい状況で生まれてこようとしている赤ちゃんを一人残らず救うためにも、やはり本県における周産期医療体制の確立が喫緊の課題であると思います。
 そこで、質問の第1点目ですが、やはり妊婦の母体と新生児、乳児の医療保護の観点から、2次医療圏の地域周産期母子医療センターや3次医療圏の総合周産期母子医療センターの整備や機能の充実が絶対不可欠だと思いますが、本県の現状を見てみますと、総合周産期母子医療センターは、熊本市民病院がその役目を果たし、NICU15床、後方ベッド16床の内容で、県下の対応を一手に引き受けている状況です。
 また、昨年から熊本市の福田病院が地域周産期母子医療センターとして認可を受け対応している状況ですが、以前同じ認可を受けていた天草中央総合病院は、現在その機能を果たすことはできず、事実上休診の状態であります。
 ここで問題なのが、本来熊本市民病院は3次医療の機能を持ち、1キロ未満の超低出生体重児などのように大変厳しい状況であっても、高度な医療を提供する施設としての位置づけで貢献しているのですが、県下に2次医療の機関が少ないため、市民病院で預かるケースが多いそうです。そのため、ベッドが満杯状態になることが多く、いざ3次医療の手当ての必要な母子の受け入れ希望があったとしても、入院の受け入れができないことがしばしば発生し、時には福岡を中心として県外に搬出されることもあるそうです。
 このような問題をぜひ解決するためにも、また3次医療の必要な母子を守るためにも、2次医療の対応のできる施設を県下にもう数カ所バランスよく配置できないのかと思いますが、いかがでしょうか。特に、県南の八代市方面にはぜひ必要だと思いますが、今後の予定をお伺いいたします。
 第2点目の質問ですが、周産期医療体制の確立を図る上での障害は、小児、産婦人科の医師不足であると聞いております。
 他の医者より重労働で診療報酬が安ければ、なり手がいないのも納得します。しかし、このままだれも小児科医や産婦人科医を目指さなければ、本県の小児医療及び周産期医療は危機的な状況を迎えることになりかねません。少子化対策といっても、生まれてきた子供を守る体制がとれなければ、今まで取り組んできた対策は絵にかいたもちになります。
 そこで、小児科医や産婦人科医を県で確保するためにも、条件等を整備して、資金援助等も含め県独自で支援を行い、早い段階から、特に小児科医の人材の確保に道筋をつけることが医師不足を解消する重要な取り組みだと思いますが、人材確保についてはどのように考えておられるのか、お尋ねをします。
 以上2点、健康福祉部長にお尋ねをいたします。
 〔健康福祉部長岩下直昭君登壇〕