熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

6.地下水保全対策について
・水量把握のばんぜんなる体制作り
・水田を利用した地下水かん養策の充実
・地下水質保全対策の取組み

◆(城下広作君) 我が国が議長国となったいわゆる京都議定書、六月四日に批准を政府は決定をしたわけでございます。  昨年暮れを思い出してみますと、いわゆる日本が批准をするかしないかが大変大きな社会問題でございました。大変国が揺れました。小泉総理に批准するのかしないのかと、それだけ多くの関心事であったわけでございますけれども、結果的に六月四日をもって日本は批准をするというふうに決めました。  それから、以前は目標とか動向を見るということがあったのでしょうけれども、六月四日からは、いわゆる目標に向かって我々がそのリスクをといいますか、生活をいろんな形で改善をするということが、ある意味では責任がスタートした日だと思います。そういう意味で、県も各自治体、また各企業、またいろんなところの分野で、やはりその思いをしっかりとメッセージを送らないと、ある意味では目標が結果的に絵にかいたもちになるのではないかと心配をしてのことでございますので、どうかよろしくまたお願いをいたしたいと思います。  次に、次の質問でございますけれども、これもまた環境と同じような角度でございます。  地下水保全対策についてでございます。  ことしの夏の特徴は、からから天気が続き、各地のダム貯水量は、一部を除き通常の水位より落ち込みが激しく、ひどいところでは四〇%台まで低下しているところがあったようです。  幸いにして、県民の生活を脅かす断水や農作物等に対して取水停止を行うまでには至らなかったようですが、節水に取り組む地域は県下各地に見られ、もしからから天気が数日間続いていたら、ダムに生活用水を頼る地域住民は断水という厳しい生活を余儀なくされたかもしれません。  その点、熊本市を含む十六市町村、いわゆる熊本地域は、人口約九十六万人、県下の半分を占める大世帯ですが、生活用水をほとんど地下水で賄っていることから心配することはありませんでした。ゆえに、同地域の住民にとって、渇水で水が飲めなくなることはだれ一人として思うこともなく、あるとすれば停電によるモーターの停止という事態を思い浮かべるくらいであるかもしれません。  しかし、この地下水を無限大に享受できると思っている人は少なく、現に各地域で地下水の減少傾向を目の当たりにするところが多くなり、熊本市においてその実態が一目瞭然として見受けられるのが八景水谷公園の湧水池であったり、江津湖の湧水池であります。この議会でも幾度となく論議され、その都度地下水保全の取り組みをされてきたことは承知しております。私自身も平成十三年二月の定例議会で質問したことがあります。しかし、地下水の低下や水質の悪化は、予想以上のスピードで進んでいるとの報告があります。  例えば、九州東海大学工学部の市川教授、地下水文学の報告によれば、水前寺・江津湖周辺の湧水量の調査で、この十年間で一日の湧水量は約十万トン減少し、現在は四十万トン前後で推移しているということです。  そして、原因として考えられることは、地下水を涵養する白川中流域の大津町や菊陽町の水田地帯で減反面積が拡大していることが最も大きな要因であるということです。農地を宅地化する開発行為や国の減反政策による水田の減少、原因がわかっていても完全に防ぐことのできない問題点もあるようです。  仮に、現在の減反率を維持したとしても、十年後には一日三十五万トンに減少し、減反率を半分改善できたら一日四十万トン維持ができ、すべて減反を水田に戻すことができたら五十万トンに回復するということです。大切な地下水を守る手だてを知りながら、有効な対策をとらなければ必ず後悔することは目に見えているのです。  同じアジアの国であるシンガポールで、今水の問題が話題を呼んでいるそうです。シンガポールは、生活・工業用水の半分を隣国であるマレーシアから輸入しており、一九六〇年に締結した水供給協定が九年後に失効するということで、マレーシアの条件は、再契約の際に今の百倍の値上げを要求するということで、シンガポールは当然反発、拒否の姿勢をとっているようです。そうしたことから、シンガポール政府は、汚水を含む生活排水を最新技術で処理した再生水を実用化し、ニューウオーターと命名し水不足を補おうとしています。  水の豊富なところに住んでいる私たちには到底考えられないことですが、翻って考えてみれば、それだけ貴重な財産を失いかけているということだと思います。  熊本を離れた息子、娘たちが、東京や大阪の水はまずい、飲めないといって、帰省した際ペットボトルに水を入れて持って帰るそうです。また、職場の転勤で熊本の水のうまさに感動、長く滞在を希望したり、中には老後の生活を熊本の地で暮らしたいと希望する人も少なくないと聞いています。まさに目に見えない地下水における経済効果と改めて感謝をしたいと思います。  ことし二月、県水資源総合計画検討委員会は、水資源の確保と安定利用を目的にした新しい県水資源総合計画、くまもと水プラン二十一をまとめ、知事に報告し決定しました。  同プランの基本目標に「持続可能な水循環社会の形成」を挙げ、一「水の安定的な確保と供給」二に「豊かな水のかん養」三に「きれいで安全な水の確保」四に「潤いある地域をつくる水の活用」という四つの施策の展開に取り組むとあります。しかし、目標や取り組みの方向性は固まったが、具体的な取り組みとして納得するものばかりあるかといえば、決してそうではないと思います。  例えば、地下水を守るために限定した地下水税は、半数以上の住民が一定の理解を示しているのに、課税対象となる取水量の把握や開発行為の特定が難しいとか、熊本市を除けばデータが整っていないなどの理由で、県税制研究会でも新税の断念が早々と決定したようです。また、政府が都道府県に呼びかけた構造改革特区の中で、熊本地域地下水涵養特区構想は惜しくも外れたようで、残念としか言いようがない気持ちでいっぱいです。  そこで、質問の第一点目ですが、やはり地下水保全対策の中で一番重要なことは、正確な取水量をつかむことだと思います。しかし、現実は厳しいようで、地下水税の導入断念の理由の一つに、取水者の特定や取水量の把握が困難であるとありました。  そうしたならば、今までの報告の中で、どうやって地下水の全体取水量がつかめたのか疑問に残りますし、平成十二年度の水量測定器の設置率は何と一五・五%にすぎず、平成十三年度から、去年からですけれども、やっとポンプの吐出口断面積五十センチ平方メートルを超える井戸について水量測定器設置義務が条例によって定められたばかりであります。  これでは地下水保全対策が万全とは言いがたいと思いますが、今後の取り組みとして、井戸使用者の完全掌握、水量測定器設置の徹底、ポンプの吐出口断面積の対象拡大措置など、実態調査の強化と対象見直しを検討したらどうかと思いますが、どのように考えておられるか、お尋ねをします。  第二点目の質問ですが、地下水の保全には水田の涵養が有効な手段として報告されていますが、平成八年度熊本地域地下水涵養実験を県と市で実施、熊本市も昨年から、白川中流域の大津町と菊陽町で休耕田四・一ヘクタールに水を張るモデル事業を行っています。  今、食糧庁の生産調整に関する研究会で、減反助成金の見直しが中間取りまとめの中で明記され注目を集めています。ますます水田の面積が減少するのではないかと心配するのですが、今後の重要な取り組みとして、休耕田における水引きを条件とすることで、県や各市町村が地下水涵養のための助成をする制度を考えてみたらどうかと思うのですが、県としてどのように考えておられるか、お尋ねをします。  次に、三点目の質問ですが、地下水は水量の問題ばかりではなく、水質の問題も非常に高い関心を寄せられています。  平成十二年度の地下水質調査結果によれば、熊本地域における状況は、硝酸性窒素を含め、鉛や砒素、テトラクロロエチレン等六項目、十四地点で国の基準を超えるところが存在するらしく、今後、このような地区の数値の改善策も含め、水質保全の対策をどのように取り組んでいくのか、お尋ねをします。  以上三点、環境生活部長にお尋ねをします。   〔環境生活部長本信治君登壇〕