熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

・川辺川ダムについて
・現時点でのダムの必要性
・遊水地等の代替案との比較
・昭和四十年七月洪水と市房ダムとの関係
・利水事業の進め方
・環境保全対策への取り組み

◆(城下広作君) 今、県下には、不法投棄の箇所が二百カ所ぐらいあるというふうに、きのうちょうどラジオで言っておりました。なかなか不法投棄の場所が減らないわけでございますけれども、今回の家電リサイクル法で、四品目はリサイクルされると。しかし、それがうまくいかないで、山にこういうのがごろごろするようなことがあれば、これは恐らくまた注意をし、いろんな形で、そういう悪いようなことをする業者の指導という、仮にそういうのが出てきた場合には注意深く見守っていただきたいというふうに思います。  次に、川辺川ダムについて質問をさせていただきます。  この数カ月、川辺川ダムに関しては、新聞、テレビに登場しない日はなかったのではないかと思うぐらい、特に有明海のノリ色落ち問題も重なって、ダムの問題がクローズアップしています。  二十一世紀のスタートに、川や海に関する環境問題が横たわったことに、長年水俣病問題と取り組んできた本県は、環境問題の発信基地としての使命を有しているように思えてなりません。  さて、この川辺川ダムに関しては、マスコミの報道は連日激しいやり取りや悲惨な状況を映し出すことに力点を置き、それに便乗する形で、一部政治家が声高に訴えるメッセージは、時において本質を見失った論調になっていることも否めない事実ではないかと思えてなりません。  そもそもこの川辺川ダム問題については、冷静に考えてみると、川辺川や球磨川は一体だれのものなのか。川で漁をしている漁民のもの、川の水を使って農業を営む農業者のもの、また、豊かな自然と食べ物に恵まれ、観光で生計を立てている商業者のもの、あるいは川の流れで豊富な栄養をいっぱい受けた海で漁をする漁業者のものなど、川一つにとっても大勢の人々が恩恵を受け、日々感謝をしながら生活を営んで存在する人がいる反面、時にはその川が、身近で生活する大切な命を奪う凶器に変貌することも過去に何回もあったわけです。  このダム問題は、そうしたさまざまな立場の人たちがもう一度おのおのの意見を述べるとともに、相手の意見も聞くという姿勢がさらに求められる時が到来したとしか言いようがありません。  行政も、いたずらに漁業権の収用など強行的な手段を選ばずに、対話を重視することに努めなければ、国民や県民はますますダム建設に至った原点を見失い、逆に政治不信、行政不信になり、協力を求めることすら今後難しくなるおそれがあります。  そうした観点に立って一連の流れを見たときに、例えば、先月二月二十八日に行われた球磨川漁協の総代会開催は、臨時総会に変えるべきとの県の再三の勧告を聞き入れずに開催され、非常に残念なことであります。結果も、勧告を受け入れなかった執行部の考えと逆の結果になったということは、受け入れ拒否の行動に不信があったのではないかと個人的に思えます。総代会の意見は尊重されるべきで、今後の国土交通省の対応が非常に気になるところです。  また、新たな動きとして、今までは直接的にダム建設に対して慎重な態度をとり、意見を述べることのなかった八代海の三十七漁協の組合も、昨年の赤潮問題、そして有明海のノリ色落ち問題にと続けざまに来る海の異変と漁獲の減少から、ダム建設に伴う海への影響を心配することは、今日の海の状況から見ればごく当然のことであります。  行政としても、その不安を取り除いてやらなければならない責務があるという認識に立ち、我が党も、今回、八代海の総合調査に関する意見書を共同提案したところです。  少し前までは、ダムの問題が海にまで及ぶことはなかったのですが、川と海の関係が深いことから心配する専門家も多く、市民の意識も高まっております。  そのようなことを考えれば、ダムの構想が出始めたころと現在の状況とでは、関係住民の意識の変化を生じていることから、今後の話し合いを進めることがますます大事になり、行政も受益者も新たな気持ちでテーブルに着いていただきたいと思います。そのために行政がクリアしておかなければならない問題点が幾つもありますし、本当の情報公開をやらなければ真の問題解決にはなりません。  また、忘れてはならないことが、球磨川では、ここ四百年の間で、記録に残っているだけでも百回以上、昭和四十年七月以降でも、建設省の資料によれば、十四回の水害を出し、その間、とうとい人命を二十六名も奪われ、甚大な被害を受け、多くの人々が苦しめられた背景をもとに、人命尊重、財産の保全の立場から、当時の識者や一部住民や行政の意向を酌み、ダム計画事業が始まったことや、以前より球磨川右岸地域の慢性的な水不足は深刻な問題であり、農家一人当たりの農業所得を見ても、右岸の北部地域と左岸の南部地域との格差が六三%も開いている現状でわかるように、農業人口の割合が高いだけに、ダムの建設による利水効果に大きな期待が寄せられ、待ち望む声が多いのも事実としてあります。  マスコミなどに見られる最近の傾向は、とかく川や海の漁民に向けられることが多いような気がするのは私一人ではないと思います。そこで、昨日の代表質問、きょうの午前中の質問のダム建設に関する質疑を通し、その不安が払拭されることにより、ダム建設の問題が、幅広い角度から、より県民に認識され理解され、判断の材料になれば、県民に対して行政、議会としての説明責任を果たすことにつながると思います。また、関係する団体や関係者も総合判断をして今後の動きを考えていけるのではないかと思います。  そこで、数ある疑問の中で、すべての人が共通認識として確認しておかなければならないこととして上げたい質問が幾つかあります。  本来であれば、工事主体者である国土交通省にお聞きしなければならない質問ですが、県としても、そのダムができるのを前提として多額の事業を既に行っている行政の立場として、認識は一致していると思いますので、過去に回答済みと思われる質問であっても、認識の意味で答弁をお願いしたいと思います。  第一点目に、ダム建設の最大の理由として、過去にとうとい人命を奪われ、今後もその危険性は解消されていないと言われているが、昭和五十七年の七月二十五日の出水で死者四名の被害者を出して以来、約十八年間死者が出ていないのは、護岸整備等でその心配がなくなったのではないかという声もあるが、その点はどのように考えておられるのか、お伺いします。  第二点目に、球磨川の治水は、ダムではなく、既存の農地を自然の遊水地として利用した方がよいのではないかという意見があるし、国土交通省も、昨年河川審議会の答申で示されたように、多様な治水対策の検討性を認めていると聞いているが、実際はどうなのか、お伺いします。  第三点目は、昨日も質問があってましたが、昭和四十年七月の洪水は、市房ダムが被害を大きくしたと思っている人が多く、マスコミにもよく取り上げられているが、実際はどうなのか、改めてお伺いします。  第四点目に、地域の農業用水は要らないとか、利水事業を行うと農業の負担は大きくなるばかりではないかとの声が取り上げられていますが、地元の意見はどうなのか、また、今後県としてどのように推進していくのか、お伺いします。  五点目に、ダムができた後の自然環境や動植物など生態系への影響は心配ないのかなど、県民の環境への関心が高まり、特に有明海におけるノリの色落ち被害などを契機に、八代海沿岸の漁協から、川辺川ダムが八代海の環境に与える影響を懸念する声が上がっています。こうした状況の中で、ダムと環境保全の考え方についてどう考えておられるか。  以上五点、川辺川ダム建設に伴う上下流の住民が特に心配している点について、第一点目から三点目については土木部長に、第四点目については農政部長に、そして第五点目については知事の所見を改めてお伺いしたいと思います。   〔土木部長岡部安水君登壇