熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

・熊本TLOの県内大学等への取り組み推進について
・熊本TLOの現状と今後の見通し
・大学や民間企業との連携推進

◆(城下広作君) 来年度まで行われます緊急雇用対策基金、この基金事業、平成十一年から十二年、十三年という形 で、三年間でございました。雇用の厳しい状況の中で、国が、いわゆる二千億という形で設けたんですけれども、熊本県の町村の中に、五つでございますけれども、この事業を使われなかったところが今のところあっておるということでございます。また、来年度は三千五百億という形で、熊本県に五十六億でございます。この計画を十一月の九日まで、基本的に十四年度から使うことを出してくださいということで県から指示があっているわけですけれども、その計画が出てないところが、今の段階で十町村あるということを聞いております。  あえて国が緊急雇用という形で今回こういうことを提案しているのに、各市町村にその事業を使うというアクションがないということ自体私は考えられないんですけれども、そこの町村の人たち、仮にそのことを聞いたときに、本当に雇用の状況をわかってそういう判断をされているのかと。まだ間に合いますけれども、本来であれば、そのことを雇用対策会議で論議をして、こういうことにはどうするかということの話し合いがあるべきだと私は思うんですけれども、残念ながら、第一回の雇用対策会議、十分程度で終わったという話を聞きました。これは、いわゆる事務方が基本的な話をし、そしてそこで承認をするという形になるんでしょうけれども、これではやはり何のための雇用対策会議かということを私は甚だ疑問に思うということを改めて申し入れまして、そして、やっぱり緊急ですから、大変事務的に煩雑で難しい、大変だということはわかった上でのこういう事業ですので、もっと踏み込んで頑張っていただきたいというのが私の意見でございますので、十分その辺を酌んでいただきたいというふうに思います。  次に、基本的に厳しい社会状況でございますけれども、これを乗り切るための一つの知恵というか、方法として今回提案させていただくのが、いわゆる熊本TLOということについて質問させていただきます。  三年前の九八年八月一日に施行されました、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律、いわゆる大学等技術移転促進法がきっかけとなったTLOは、大学などの研究者が開発したり発明した技術を特許申請し、さらに民間企業での実用化を図る仲介役を引き受ける機関であります。  この考え方は、アメリカで二十年前に導入されたシステムで、ベンチャー企業、雇用創出に莫大な効果をもたらしたと言われ、今日のアメリカの発展に深くかかわってきました。大学側でも、開発された技術が実用化されれば、新産業につながり、研究者は特許使用料の一部を研究費として手にすることができ、双方にメリットがあるというわけです。  こうしたことから、現在、文部科学省、経済産業省が承認、認定したTLOは二十四機関で、インターネットの情報によれば、八月三十日に今のところ一番新しく承認を受けた団体が、財団法人くまもとテクノ産業財団、熊本TLOなのです。そして、関連大学として熊本大学などになるわけですが、地元中小企業発展の可能性と地域経済振興も視野に入れた大きな期待を寄せたいと思います。  なぜかといえば、今、日本の経済は大きな転換期を迎えていると言われています。かつて貿易黒字の日本、黒字大国とまで言われ、対米黒字を筆頭に、アジア、ヨーロッパと、今までは不況のときでも黒字をはじき出してきました。その黒字が、今年度上半期、前年同期比で四三%も減少、このことは二十二年ぶりの出来事であり、五期連続という黒字減は当然景気を悪化させ、雇用や金融市場にさらなる大きな影響を与えています。  原因として考えられるのが、中国を中心とした日本企業の海外生産活動にあるのです。日本の十分の一、または二十分の一とも言われる低賃金で良質な労働力が確保できれば、利益を求める企業としていたし方がないことかもしれません。その結果、冷蔵庫や洗濯機、テレビなど、いわゆる白物家電やバイクの生産拠点は日本から中国に移り、今や世界一の生産国と成長し、次は半導体や自動車だと言われています。  一過性のことであれば推移を見守ればいいのですが、その勢いが日々高まっているのが現在の中国の強さだと、エコノミストは口をそろえて評しています。このままいけば、ものづくり日本はもの買い日本に変貌し、日本人が働く場所は日本になくなり、出稼ぎ先は海外へとなるのかもしれません。しかし、賃金の高い日本人を雇ってくれるところはあるのか心配です。  このような構造的な問題を解決しない限り、真の景気回復や雇用創出は今の日本に望めないのかもしれません。各国の競争力の調査で定評のあるスイスのIMD、経営開発国際研究所によると、日本の競争力は今や世界二十六位だそうです。  このような状況を考えたとき、日本が再び世界経済の中で、かつてのものづくり日本、黒字大国日本になるためには、今ある分野での量的生産や価格の勝負では可能性がなく、あるとすれば、まだ世界市場にないさらなる先端技術の開発やまだ克服していない医薬品の開発など、あらゆる分野で特許取得の道につながる商品開発をつくり出す以外にないのではないかと思います。そこで必要になるのが、大学等に蓄積され眠っている研究成果等を、民間企業と連動して実用化できる流れをつくる役目としてTLOが誕生したわけですから、大いに期待をしたいと思います。  国も、昨年四月の人事院規則改正で、国立大学の教官も企業役職を兼ねられるようになり、みずから企業を興したり、役員について積極的に取り組まれる教員が急増しているようです。現に、香川医科大学の平島教授らは、昨年十一月、株式会社ガルファーマを設立、平島教授を初め三人の教員が取締役に就任し、がん転移能検出剤の開発で、製薬会社二社と契約を成立させ、一年後あたりに製品化したいと述べられています。また、東京大学の登坂助教授は、昨年九月、株式会社地圏環境テクノロジーの会長、東京工業大学の吉川教授は、昨年七月、株式会社エコミュート・ソリューションスの取締役など、文部科学省の調査では、ことし六月までに三十六人の教員が企業を立ち上げたということです。本県にも国公私立の大学が多数存在することを考えれば、期待ができるのではないかと思います。  また、民間企業に至っては、日本はもちろん、海外で活躍されている優良な地場企業も存在し、先端技術のロボット製造会社、免疫製薬会社、IT関連の日本を代表する製造会社等、その環境は十分整っているのではないかと思います。  十月一日、ソニーの熊本テクノロジーセンター竣工式の記者会見で、ソニーセミコンダクター九州の濱崎社長は、次世代型三〇〇ミリウエハーに対応し、環境などにも配慮した基幹事業所である、我々は九州で世界と勝負をしたいと述べられました。その勢いに便乗して、熊本TLOが大きく活躍をしていただきたいと思いますが、そこでお尋ねをします。  第一問目の質問ですが、まだ承認を受けて三カ月程度しかたっていないのですが、本県の現状としてどのような分野で見込みがあるのか、今の段階での見通しも含めて期待できるものがあるのか、お尋ねします。  第二問目の質問ですが、今後、熊本TLOが、大学や民間企業に対してどのような連携をとり、より充実した産学官の推進役を担っていく決意なのか、お尋ねします。  以上二点、商工観光労働部長にお尋ねをします。   〔商工観光労働部長守屋克彦君登壇〕