熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

・APEC会合と技能五輪大会について
・APEC会合開催への県の目標と対応
・技能五輪開催への対策と技能者輩出対策

◆(城下広作君) この特別融資制度、先ほど答弁がありましたように約一万件という件数があったということは、私は、この融資制度で県内の中小企業の方は大変助かったのではないかと思います。まさに運転資金で約九割ということで、この運転資金というのは、そのまま従業員の給料、いろんな会社の喫緊の必要な経費としてやはり使用できたということで、私は、こういう制度ができたことで本当に助かっているというのが現場の率直な意見だと思います。今後も延長しましたわけですので、スムーズに利用できるような形でまた支援をしていただきたいというふうに考えております。  また、支援センターでございますけれども、中小企業の方は、本当に今の現状をどこに行って相談したらいいのかということを日ごろよく考えているわけでございますけれども、なかなか行くというきっかけができない、またどこに行けば明確なアドバイスが聞けるんだろうかという不安もあるわけでございまして、こういう地域支援センター、このことが開設できましたということを広く県民に知らしめ、そして私は大いに利用していただければというふうに考えています。  そういう意味で、いよいよ四月から地域振興局が開設されたわけでございます。やはり五つということであれば、その五つに属さないところにいる方はなかなかまた行きにくい、そうなりますと、その地域振興局の数の分だけあると、その地域振興局を核として、今から中小企業も根差し、また発展していくのではないかという意味で、十カ所ということが私は頭にあったわけでございます。どうかこの辺も検討、本当にさらにしていただきたいというふうに思います。  次に、先ほど述べた中小企業支援と関係の深いAPECと技能五輪大会について質問させていただきます。  明年二〇〇一年九月二十七日から三十日までの四日間、この熊本の地で、第四回APEC、アジア太平洋経済協力会議の人材養成担当大臣会合の開催が、本年一月二十七日に決定しました。決定に至るまでは、今は亡き福島前知事の大変な御尽力があったことはあえて申すまでもありません。  同会合は過去三回開かれ、フィリピン、韓国、アメリカと、いずれもその国の首都で開かれています。今回、日本で開かれるに当たって、地方都市である我が熊本県で開かれることは異例であり、本県にとって名誉なことと思います。  話に聞けば、名乗りを上げたのは東京や北海道などがあり、並みいる強敵を倒した福島前知事の功績を改めて高く評価したいと思います。政府としても、九州の中でも特に熊本は、古くからアジアとの交流が深いとの史実が追い風になったことも否めない事実だと思います。  当面の課題として、二十一カ国、関係閣僚や高級事務レベルを初め、約二百人が来熊する大規模な国際会議の運営や会場、宿泊施設の確保、さらに交通アクセスや警備体制等は大変な問題と推察いたします。  しかし、今回のAPECの開催は、県として各国と直接結びつきをつくる最大のチャンスであり、熊本をアピールする絶好の機会でもあります。特にアジア諸国の方々とは、強固なパートナーシップを直接築く最高の場でもあります。  今回のAPEC人材養成担当大臣会合の目的は、豊富な労働力に恵まれながら、労働市場の未成熟や職業訓練のおくれから、潜在能力を発揮できていない地域の現状を重視し、各国の相互協力で人材養成を軌道に乗せることにより、経済成長と雇用、福祉の前進につなげるのがねらいと聞いています。  熊本県が二十一世紀に向けさらに発展するか否かは、まさにアジア諸国との親密な関係確保であり、経済交流であると思います。今後は、ますます今まで以上に人的交流を深め、あわせて技術の協力も進めていくことが絶対不可欠になってくると思います。  そこでお尋ねですが、先ほど述べましたAPEC開催に当たってのさまざまな問題点は、明年九月に向けて特に取り出して心配することはないのか確認をしたいと思います。また、熊本県としても、このAPECの国際会合を機に、各国と新たな関係を築こうと模索していると思いますが、現時点としてのプランがあるのか、既に取り組んでいるものがあれば確認をさせていただきたいと思います。  次に、APECの人材養成に非常に関係の深い技能五輪についてお尋ねしたいと思います。  この技能五輪大会は、平成十四年の秋ごろに、これもまた熊本県で開催される予定で、会場はグランメッセで行われ、今回が第四十回大会になり、九州での開催は熊本が初めてとなります。  参加者資格は、満二十一歳以下の青年技能者で、精密機械組み立て、電気溶接、左官、石工、日本料理など三十種目で競い合う大会で、その結果で平成十五年にアラブ首長国連邦のドバイで開かれる国際大会の予選も兼ねています。  我が国は、十年ほど前までは、技術国日本として多くの種目に優勝者を出し、その名を世界でほしいままにしてきました。ところが、それ以降優勝者は激減し、上位に入賞することすら難しいようになりました。そこで、昨年の大会では、復活の威信をかけて取り組んだ結果、優勝者六名と、過去十年間にはない結果を出すことができました。結局、低迷をしていた原因は、有能な技術者からの継承がなされていないことが考えられたわけであります。  熊本県にあっても、過去十年間の国内大会で七職種、フライス盤、左官、配管、建築大工、洋裁、西洋料理、日本料理に出場し、左官が三位以内に四回入賞した経緯があります。熊本県の実力からすれば、余り華々しい結果とは言えないような気がいたします。  技術といえば、熊本県は、歴史の中で肥後の石工として全国に名をとどろかせ、至るところにその足跡を残してきました。代表的な人物として藤原林七、彼は長崎奉行所勤めの下級武士であったが、出島のオランダ人に円周率などのアーチ計算を習い、鎖国の国禁を犯したとして役人に追われ、熊本の種山村に移り住みました。現在の八代郡東陽村でありますけれども。そして、その技術は、子息の嘉八、三五郎、後の岩永三五郎、三平、続いて兄嘉八の子息である卯助、宇市、丈八、後の橋本勘五郎と受け継がれ、特に、岩永三五郎が築いた鹿児島の甲突川の五橋、橋本勘五郎が築いた霊台橋、通潤橋は特に有名で、橋本勘五郎は、後に明治政府に破格の厚遇で迎えられた史実があります。  たくみの技術は、師匠と弟子の信頼関係、さらに意志の強い使命感で継承されてきたものだと改めて感じさせられます。肥後象眼の技術も、それに並ぶとも劣らぬ技術の継承ではないかと思います。  しかしながら、今日IT産業が花形となり、日本の景気をリードしているのは大変喜ばしいことですが、その一方で、日本の高度成長を陰で支えた数々の手作業の高度な技術を衰退させることは憂慮すべきことだと思います。日本が経済大国になり得たのも、世界のどこの国にも劣らぬすぐれた技術があればこそなし得たことだと思います。  特に、アジア諸国との交流を深めるに当たり、日本に求められる技術は、いきなり高度なハイテク技術というよりも、日本が成長のきっかけをつくることができた製造業を中心に、機械組み立てや溶接技術、板金、配管など、手作業の技術の指導、伝達ではないかと思います。熊本の地場産業も、さらなる技術の向上を目指す企業が多く、今後熊本の経済を活気づかせる源泉力になってくれるのは間違いないと思います。  今回のAPEC人材養成担当大臣会合の趣旨である労働市場の未成熟や職業訓練のおくれから存在能力を発揮できていない地域との相互協力で人材養成を軌道に乗せる目的であり、過日の県雇用対策審議会の答申でも、個人の就業能力の向上と経済社会の発展を担う人材育成の推進、意欲と能力が生かされる社会の実現、国際的視野に立った雇用対策の推進に重点を置いていると聞いています。特に、物づくりを担う高度熟練技能の維持、継承のための施策も充実強化を目指すと聞いています。  以上のような観点から、技能五輪大会は、我が県の技術の機運を高める意味でも非常に重要な事業ではないかと思います。県としては、この点をどう認識しておられるのか、お示しいただきたいと思います。また、技能者を養成する具体案があるのかどうか、商工観光労働部長にお尋ねいたします。   〔商工観光労働部長前田浩文君登壇〕